『食事を大切にするということは
自分を大切にするということ』
薬膳師naoです。
講座を終えてiPhoneを見ると
父が入院する病院にいる妹から
連絡が入っていました。
すぐに電話をしたところ
病院側から、父に
「お薬を使うかどうかの判断を」
ということでした。
苦しさを和らげるためのお薬を使うと
もう意思の疎通が出来ないまま
お別れになるかもしれないから…
ただ、苦しそうだから
会うなら直ぐに来て。とのこと。
私の気持ちを優先にして
父を苦しい状態で待たせることはしたくない。
なので
『薬を使って、
お父さんが苦しくないようにして』
そう伝えると、妹はすぐに対応してくれました。
私もその後
ちょうど帰宅した娘と一緒に病院へ。
もちろん面会は5分。
父は眠っているようです。
大脳皮質規底核変性症(難病指定7)
徐々に体の自由を奪われていく
不安と怖さは、周りに誰がいても
拭い切れるものではなかったと思います。
それでも
孫娘を見れば『かわいいなぁ』と
とろけそうな笑顔で喜ぶ穏やかな父です。
私たち姉妹も、父と仲が良かったので
よく話すし、一緒に出かけるし
何かを後悔するということはないけれど
それでも
もっと何か出来たのではないかと
そればかり考えてしまいます。
病院が用意してくださった控室に
こうして待機して
数時間毎に5分の面会をさせてもらう
この時間を
私たちはどのように過ごせばいいのか…
自転車が趣味だった父は
私たちが帰省すると息子が小さい時から
2人でツーリングへ行ってくれました。
小学生でも、40〜50㎞のツーリング🚴♀️
今、息子と父の手をそれぞれに握りながら
その頃の思い出話をします。
一緒に聞いているはずだから。
難病がわかった翌年
アルツハイマー型認知症も発症したものの
進行は緩やかだったので
私たち家族のことは
今も、わかってくれているのが救いです。
自分が孫たちとの
体験も忘れてしまうのが不安
父は入院前、母にそう言っていたそうです。
『あの子たちがちゃんと覚えているから
大丈夫よ』
母がそう答えると
『そうかぁ』
と笑って安心した様子だったと。
私たち姉妹も孫たちも
父から貰った言葉や体験は
今の私たちを作っていて
私たちの心にも体にもちゃんと刻まれています。
家族に限らず
誰かと時間を共有し、
体験、経験するということが
生きていくことそのものなのかと
この時間に
父にまた、教えてもらったようです。